歌唱力を高めたければ、腹式呼吸のマスターは必須!(`・ω・´)
そのことは既に他の議事録でもまとめた通りです。
腹式呼吸ってどういうもの? まずは仕組みを理解しよう!
ただ、わざわざ私が言わなくたって、それは周知の事実なわけで。
歌を上手くなりたかったらまずは腹式呼吸マスターせんかい!
なんて話は、歌い手さんの間ではかなり有名なはず。
そこで問題なのは「とにかく腹式呼吸をマスターだ!」ってなって、
間違った情報をうのみにしちゃってるケースもあるってこと(((( ;゚д゚)))アワワワワ
今回は、腹式呼吸についての誤解についてまとめていきます(`・ω・´)
Contents
1.腹式呼吸のトレーニングを続ければ音域が広がる
音域を広げるトレーニングと腹式呼吸のトレーニングは全くの別物です。
腹式呼吸のトレーニングはあくまでも息を制御して歌声を安定させたり、表現の地力をつけたりするためのものです。
音域を広げようとするなら、まずは声帯周辺にムダな力がかかっていないかチェックする方が効果的です。
2.腹式呼吸のトレーニングを続ければ歌が上手くなる
腹式呼吸の議事録でも書きましたが、あくまでも腹式呼吸のトレーニングは基礎トレ!
野球で言えば素振りやキャッチボールのようなものです。
一方、実際に歌を歌うというのは、野球で言えば試合そのもの。
試合でパフォーマンスを発揮するには、練習試合だって必要です。
つまり、歌そのものが上達するには、実際に曲を歌いこなす練習が必要ってこと。
3.腹式呼吸のトレーニングとして、腹筋が有効
やり方次第では逆効果になるおそれがあります。
腹式呼吸は体の内側の筋肉、インナーマッスルの働きで行うものです。
だから、インナーマッスルを鍛える腹筋なら効果アリ。
一方で、いわゆる普通の腹筋運動はアウターマッスル、特に腹直筋を鍛えるものです。
「腹筋が割れる」というときの、いわゆるあの筋肉です。
アウターマッスルは骨格を動かすためのもので、腹式呼吸ではあまり活躍しません。
それどころか、腹筋を割るほど過剰にトレーニングすると、腹直筋に硬さが出てきてしまい、腹式呼吸の動きをジャマしてしまうおそれがあります。
ダイエットや健康維持程度の腹筋は問題ありませんが、やりすぎにはご注意を。
4.腹式呼吸のトレーニングを続ければ歌声が安定する
これはちょっと微妙なところですね。
当たらずも遠からずといったところでしょうか。
腹式呼吸で歌うと、息の最後の方でもしっかりと発声できますし、息の強さのムラも少なくできます。そういった意味では、声を安定させる効果はあります。
ただ、歌声を安定させる、という言い方をすると、音程や表現に見合った息の量を制御することができるか、だとか、曲の中でどこからどこまでを一息で歌うか(どこでブレスをするか)、1つのフレーズの中でどこにどのくらいの息を使うか、といったことも関係してきます。
こうした部分は実際に曲を歌う中で鍛えるもの。
腹式呼吸のトレーニングだけではまかないきれません。
5.腹式呼吸をマスターすればビブラートがかけられるようになる
腹式呼吸をマスターしたからといってビブラートが習得できるわけではありません。
ただし、腹式呼吸をマスターしているとビブラートに深みをつけることはできる、くらいのことは言えると思っています。
厳密に定義すると、ビブラートは音程を周期的に・細かくふるわせる技術です。音程のほとんどは声帯で決まるので、腹式呼吸よりも声帯を操る技術が求められます。
ただ、特に現代の日本人歌手の歌声を聴いていると、音程のみならず息の量に変化をつけているケースも見られます。
その点では、腹式呼吸をしっかりマスターすることは、息の量を細かく増減させるテクニックにつながっていると言えます。
とはいえ、あくまでも「音程の揺れに加えて、息の量も揺らす」というビブラートのかけ方をしているだけで「音程は揺らさずに息の量だけを揺らす」ことがビブラートになるわけではありません。
6.まとめてみる
腹式呼吸は重要なスキルなのは間違いないけれど、決して万能じゃありません。
その重要性から「全ての根っこ」のように言われることもありますが、
腹式呼吸をマスターすることが他のテクニックなどをマスターする第一歩となるわけではないんです(´;ω;`)
あくまでも腹式呼吸は基礎の技術であると知って、間違った認識は変えるべきです。
というのも、間違った認識で間違った練習をすることは、時間のムダになってしまうから。
音域を広げたい、ビブラートを上手くかけたい、曲を歌いこなせるようになりたい…という気持ちはわかりますが、そうなるためにはそうなるための練習が必要です。
正しいトレーニングを積んで、歌唱力を磨きたいですね!