【発声法のその前に】声が出るしくみを知ろう~裏声編~

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地声編に引き続き、今回は裏声をテーマにしていこうと思います。
どちらかというと裏声の方で悩んでいる方の方が多いかも知れませんね。

まず、裏声編をスターとさせる前に、地声編の内容をかるくおさらいします。
裏声編の内容とも関係してくるので、未読でしたら先に目を通してください。
【発声法のその前に】声が出るしくみを知ろう~地声編~

  • 声は声帯が閉じているところに息が送り込まれて出る
  • 音程の高さは振動する物体の重さが重いほど、長さが長いほど、張力が弱いほど低くなり、逆になると高くなる
  • 輪状甲状筋(のどぼとけ全体を前傾させる筋肉)が働くと声帯が伸び、出る音が高くなるものの、出せる音程には限りがある

と、キーポイントを要約するとこんなところでした。
さて、これを踏まえて~裏声編~スタートです!

1.裏声の定義

地声(実声)では出せない音域を扱おうとすると、裏声になります。
じゃあ裏声ってどういう状態? っていうことをまずはじめに定義しようと思うんですが、
ちょっとややこしい話になります(最初からすみません…)。

まず、当委員会の立ち位置として、
ミックスボイス・ヘッドボイスという区分と地声・裏声という区分は
まったく別の区分として扱います。
その違いについては後半でまとめることにしますね。

1-1.声帯の構造00

声帯は4つの層構造をとっていて、表面に近い方から
粘膜上皮→ラインケ腔→声帯靭帯→声帯筋
となっています。

粘膜上皮は筋肉ではないので周囲から受ける力によって形を変える組織です。声帯が合わさって声を出すときは粘膜上皮どうしが接触していて、発声には非常に深く関係している部分でもあります。
ラインケ腔は粘膜上皮と声帯靭帯との間にある、結合組織でつながれた空間で発声を考える上であまり登場しない部分ですが、刺激によって腫れて声枯れのもとになるデリケートな部分です。
声帯筋は声帯の最も内側にある筋肉の層で、声帯靭帯とつながっています。声帯筋はゆるんでいると声帯の振動に合わせて揺れ動きますが、筋肉なので力が入って緊張することもあり、こうなると振動しなくなります。

1-2.地声と裏声の違い~声帯の層構造~

さて、肝心の地声と裏声の最大の違いはズバリ声帯の層の状態にあります。

地声を出している状態では、表層の粘膜上皮だけでなく、内側の声帯筋も一緒に振動します
裏声を出している状態では、表層の粘膜上皮は振動しますが、声帯筋は緊張して振動しません

裏声を上手く出せない人の1つのパターンは、声帯筋の緊張状態を上手く作れないというものです。

1-3.地声と裏声の違い~息の量と音の違い~

地声では息の量をある程度コントロールしながら発生することが可能ですが、
裏声では一定量の息がかならず必要になってきます。

また、地声では倍音が豊かに鳴らせるのに対して、
裏声では倍音がほとんど鳴りません

倍音についてはまた改めて議事録にしますね!
声としての美しさを求める上でも、カラオケ採点で高得点を狙う上でも倍音は必要です。

2.地声・裏声の区別とチェスト・ミックス・ヘッドボイス・ファルセット

地声・裏声の区別は、振動する声帯の部位の違いによります。
では、チェストボイス・ミックスボイス・ヘッドボイス・ファルセットと呼ばれる発声法は、地声・裏声とどのような関係にあるの?ということなんですが、

この部分はまだ研究途中のジャンルで、諸説入り乱れている状態のようです。
あくまでも共鳴部位から名前をとったりしてチェストボイス、ヘッドボイスなどと名前をつけて呼んでいますが、声帯がどのような状態で、どのような仕組みで声が出ているのかはいまだに憶測の域を出ないのが正直なところのようです。

ただし、声そのものの特徴としては

  • ミックスボイス:地声では出せない高音を出せる、芯のある声
  • ヘッドボイス:地声では出せない高音を出せる。芯は弱いが息漏れは少ない
  • ファルセット:地声では出せない高音を出せる。芯は弱く、息漏れが多い
  • チェストボイス:地声の音域に相当、芯がある

という区別は可能です。
私は声学研究者ではありませんし、詳細な定義については解明を待つとして、声帯ではなく声を出発点にして定義を考えたいと思います。

ファルセットは息漏れがあることから、声帯の閉鎖そのものが弱く、全ての息が声帯の振動を経由しない状態と考えられます。ただし単なるウィスパーボイスではなく高音が出せるため、声帯筋は緊張しています。

ヘッドボイスも高音域にアプローチできるので、声帯筋は緊張している状態でしょう。ただし、息漏れが少なくなるためファルセットよりも声帯が閉鎖された状態になっています。

ミックスボイスは声に芯が残りつつも高音を出せる発声ですが、音域の高さではヘッドボイスには及びません。声帯筋の状態としては、裏声と地声の中間の弱い緊張状態にあるのではと思います。

チェストボイスは音域が地声と重複するため、声帯筋も振動している状態にあたりますが、特に胸の共鳴を強く使っている状態です。
普段の話し声の感覚と言ってもほとんど差し支えないと思いますが、女性で普段の話し声がかなり高い声の方は、日常的に裏声に近い発声になっている可能性もあります。

3.裏声を鍛える必要性

日常的に使っている声はほとんどの場合が地声に分類される発声です。
裏声の発生は、ふだんあまり使われないために、裏声を出す筋肉(主に声帯を閉鎖させる筋肉)の使い方が上手くなかったり、パワーが不足していることが多くあります

筋肉が上手く使えないと、本来裏声で出せるはずの音域をフルに使えなかったり、共鳴を上手く作れなかったりします。
筋肉のパワーが不足していると息漏れがぬけず、ごく弱い声帯の振動しか作ることができません。そのために、息漏れの割合が多くカサカサした感じで音量のない声しか出せません。

と、いうことは、

  • 裏声で出せる音域をフルに使えるようになるためには
  • 共鳴を作って音量を豊かにするためには
  • 息漏れの割合を意図的に調節できるようになるためには
  • 裏声でも声量を出せるようになって、地声との音量の差を縮めるためには

裏声を鍛える必要があるんです。

息漏れする裏声だから悪いわけではありませんが、
息漏れする裏声と息漏れしない裏声を使い分けてこそ、幅のある表現力が身につきます。

4.まとめ

今回は裏声が出るしくみについて、判明している範囲のこと、
そして裏声を鍛える必要性についてまとめました。

じゃあどうやってトレーニングすればいいのさ!ということについては、また改めて。
今回はひとまずここまでです。

以上、naonariでした!

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